2010年03月10日

「ハート・ロッカー」アカデミー賞受賞〜戦争映画でないサスペンス?

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監督:キャスリン・ビグロー
主演 :ジェレミー・レナー
他のキャスト:アンソニー・マッキー、ブライアン・ジェラティ、
       レイフ・ファインズ他

オススメ度:★★★★  (★5個が最高です)
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ハート・ロッカーはアカデミー賞 作品賞を受賞しましたね。
キャスリン・ビグロー監督が監督賞も受賞しました。

詳しくは最後に


のっけから水をさすようで恐縮ですが、正直に告白すると、私はオスカーを
争っていた「アバター」の方が好きなんです。
そう、ビグロー監督の"元夫"ジェームズ・キャメロン監督作品です。
いわゆる戦争映画は苦手なので。

でも、それでは食わず嫌いじゃないかと思い、「ハート・ロッカー」の
素晴らしさに
ついて、考えてみました。


「ハート・ロッカー」は、サスペンス映画です。
イラク戦争が舞台ですが、普通のいわゆる戦争映画とは確かに違いました。

ひとつには、「ハート・ロッカー」の舞台が、普通の戦場ではなく、敵の姿が
直接見えない、市街地の「爆発物処理」現場を扱っているから。

もうひとつは、いわゆる普通の「反戦映画」ではないからです。

「ハート・ロッカー」の舞台〜爆発物処理現場は、一歩間違えば死に至る確率が
格段に高い”戦場”です。
爆発物処理のシーンの緊迫感は凄いです。常に死と隣り合わせ、「死」は普通
のことになってしまっています。
観客も一瞬たりとも気を抜けません。そこがまず凄かったです。

「ハート・ロッカー」とは兵士たちのことばで「棺おけ」を意味します。
そんな過酷な状況下でも任務を全うしようとする彼らには、畏敬の念をいだく
ものの、何で、こんな状況になってしまったのか? と大きな怒りもおぼえました。

敵の罠にはまり殉死した班長の代わりに赴任した、ジェレミー・レナー演ずる新班長。
彼の行動には共感するところもあるけど、常軌を逸したというか、「狂気」
としか思えないころがあります。

任務遂行のためなら、手段を厭わない、というか、かなり外れています。こわいです。

彼の演技にいやおうナシに注目させられてしまう、その点もこの映画の力です。

緊張しまくりの観客(私です)が、やっと平安な気持ちをとり戻し、やれやれと
思ったら・・・

ラストシーン。これは静かなシーンなのですが、一番おそろしかったです。

あっ!! これが一番いいたかったことなのね、とはっとしました。


ジェレミー・レナーの演技、素晴らしいですね。オスカー主演男優賞ノミネート
も当然です。

ヨルダンでロケしたようですが、撮影も大変だったと思います。

爆発や銃撃戦のシーンの緊迫感は、他のいわゆる戦争映画と違う雰囲気がありました。

最後まで一気に見せてしまう、ビグロー監督の手腕がみごとです。

「ハート・ロッカー」は戦争映画じゃない、まして反戦映画でもないサスペンス
ということになっているかもしれませんが、そうでもないんです。

メッセージはあります。決して単純でないメッセージが。

ビグロー監督は、監督賞受賞スピーチで、「イラクやアフガニスタンなど、
すべての制服の方々が、無事で帰還されることを祈ります。」と言っていました。

「ハート・ロッカー」のテーマもよくわかりますね。


ドキュメンタリーのような映像の世界に放り込まれながら、生、死、戦争、
政治、市民、敵、味方、友情、上司と部下、暴力、任務、規律、仕事、家族、
家庭、子供、息子、愛、日常、狂気 などなど、いろいろなことを考えさせられ、
感じることができる映画でした。

<おまけ>

キャスリン・ビグロー監督、アカデミー賞監督賞の受賞、おめでとう
ございます。
"女性初の" ということばに驚きました。今どきまだそんな称号があるなんて。

ビグロー監督も、『女性初の』と言われるのはうれしいことではないようで、
「私の後にどんどん女性監督受賞が続いてほしい。」って言っていました。

女性監督がどんどん活躍して、オスカー受賞者もどんどん増えることに期待します。


キャスリン・ビグロー監督作品
  ↓
ハートブルー Point Break (1991)


posted by みなりん at 08:29| スリラー/サスペンス 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月18日

ゴールデンスランバー

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監督 :中村義洋
原作 :伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」
主演 : 堺雅人
他のキャスト:竹内結子、吉岡秀隆、劇団ひとり他

オススメ度:★★★★  (★5個が最高です)
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実は、この映画予告編は何度も見ましたが、
予告編だけで、まあいいかなって、思ってました。
予告編だけで、なんとなく予想がついてしまうし、ね。

ところが、幸いにも友人が「いい映画だよ」ってチケットをくれたんです。
何でも今年の、ベルリン国際映画祭パノラマ部門に正式出品されるそうです。

そうなんだ。それなら絶対見なくっちゃ。
行ってきました。

結論から言うと、よかったですよ。

基本的には逃走劇なんだけど、ハリウッド映画のような、緊迫感とか
スピード感は・・・
あまり・・・
ありません(笑)。

巨大な悪が、主人公 青柳雅春を犯人に仕立て上げた、といっても
この作品では、最初からその黒幕を暴くつもりもないようですし、
主人公の堺雅人のキャラクターもあって、命がけの悲愴感も
あんまりなかったです。

そこが逆にのんびりして(失礼)よかったかな。

青柳雅春を取り巻く、いろいろな人達の温かさが身に染みましたね。
といってもいわゆる「友情」とか「人情」とか「親心」とか
「元恋人への、いてもたってもいられない気持ち」とかが、
押し付けがましくなくて、さりげないのがいいです。

仙台オールロケも開放感がありました。

サスペンス映画というより、ハートフルコメディーのように思えました。

それにしても、堺雅人は売れっ子ですね。
どんな役でもハズレがないと思います。


◎ おまけ
ゴールデンスランバー。ベルリン映画祭で受賞できるといいですね。
posted by みなりん at 16:46| スリラー/サスペンス 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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